ジャパンカップ2009

レース当日朝の8時、宇都宮駅は思ったより静かな状態で、バスターミナルの警備員にミスリードされつつ、
なんとか同じ匂いの人の後をつけて、会場である森林公園まで向かうシャトルバスのバス停に向かいます。
階段を下りると既にバス停は長蛇の列、会場まで10km程度なので輪行で来ればよかったと後悔しましたが、
寒くて歩いていく根性もないので、待つこと40分でようやくバスに乗り込みました。
(片道1000円、往復2000円なので3人揃えばタクシーが手っ取り早いが、9時半に交通封鎖が入るので要注意です。)

森林公園までの道は自転車とマイカーで大渋滞、たかだか10kmに1時間近くかかってしまい、
会場に着いたのは9時半の交通規制ぎりぎりのタイミング、既に人で溢れ返り熱気は最高潮。
今まで見た中で最大の駐輪場が設営され、大量の屋台やブースが立ち並び、初参加の私はどうしたらよいのか右往左往。
とりあえずレースの見れる場所を確保しなくてはと思い、大会プログラムを片手にコース上を歩いて古賀志林道に向かいました。
(選手・オフィシャル・サポートカーが移動していなければコースに立ち入って移動ができます)

歩き始めて数分で、補給所の上のブロックが空いていたので陣取ってラジオのスイッチを入れると、
飛び込んでくるのはバッソフォイクト、新城へのインタビュー。(もちろんイタリア語もドイツ語も判りませんがそれは雰囲気で)
今回の大会は栃木放送でレース中継を行ってくれるので、オーロラビジョンの見えないコース上でもラジオがあればレース展開が
手に取るように判るというサービスがありました、解説はもちろん栗村修
(なお、会場でラジオはキティちゃんストラップ付で、1000円。あちこちで大音量でラジオが鳴っているので自前ではいらないかも。)
スタート時刻が近づくにつれ、次々に選手が試走・ウォームアップを行い、
場所取りをする観客の脇をすり抜けて行きますが、さすがにここでサインをねだれない…。

いよいよスタートの10時が迫り、会場は緊張感に包まれ、カウントダウンと共にスタート。
レース展開は様々なサイトにアップされていますが、簡単に述べると、
序盤は逃げを決めたい日本人と、大集団の逃げを警戒するプロツアーチームの攻防となり、
何度かのアタックの末に地元ブリッツェンの廣瀬選手を先頭とした、5人の日本人の逃げ集団が形成されます。
事前に海外勢は8人の逃げは許容できないが、5人程度なら逃がすと作戦をたてていたようなので、予想通り。
この逃げが全11周のうち、9周まで逃げ続けます。

その間、新城を要するBboxは守りに入り、メイン集団後方で待機し、
残りの海外勢が集団のコントロールを行い、2〜5分差程度の短い間隔で先頭を追いかける体制に。
逃げが目立つと言いますが、実際に現場で見ると逃げ集団とメイン集団は表情も気迫も違い、
逃げに賭ける選手たちの気持ちが少しだけわかりました。

実際にレースが始まると、選手がコースを通過するのは20分間隔なので、意外に自由に歩き回ることができます。
後学のため、スタートから古賀志林道の頂上までを歩いて往復してきたのですが、
観客は前日からキャンプを張ったり、横断幕を掲げたり、道路にペイントしたり、すっかり酒盛り状態だったりと、
思い思いの観戦スタイルで試合を楽しんでいました。
やはり地元の宇都宮ブリッツェンの応援は目立っており、たまたま話したおじさんはロードレース観るの初めてなのに、
ブリッツェンファンで、選手の名前は詳しかったです。レースの内容とか勝ち負けは怪しい(笑

レースは9周目に入ると急展開を見せ、集団からプロツアー勢のアタックが決まり、
あっさりと逃げを吸収、今までの大集団は一瞬にしてバラバラに分断。
7人の逃げと、9人の追走集団が形成され、勝負はここに絞られてきた模様、
新城を守るべきアシストはすっかり後方に取り残され…。

レースの結果はちゃんとしたリザルトを確認して頂くとして、
ゴールには数万人がコンサート会場のように中継のオーロラビジョンを見つめ、
逃げ集団の動きに一喜一憂し、ゴール時には怒号とも歓声ともつかない轟音に包まれました。

レース後は混雑が嫌だったので、表彰式はあきらめて、もらえるサインだけ貰って帰ろうと決定。
OGKのブースに並んで新城サイン会を待つものの、ドーピングコントロールに時間がかかり、しばし待ち。
そして、並んでいるうちに整理券がないとダメと言われ、そそくさと選手の出待ちに作戦変更です。

意外にも選手が出てくる付近には50人ほどのファンしかおらず、これぐらいだったら押し分けて…と、
ずいぶん沢山の選手に握手&サインをもらえました。
最初はサイン目当てにCICLISTを持って行っていたのですが、さすがに選手ごとのページを即座に開くことは不可能に近く、
とにかく大会パンフレットのチーム紹介のページを選手に押し付けて(笑)なんとか獲得です。
(チームごとに分けてサインを貰いやすいように準備しておいたほうが慌てずにすみそうです。)

帰りのバスもやはり30分待ち、早めに並んだので表彰式が終わるタイミングだともう少し長くなるかもしれません。
出待ちの集団のすぐそばにバス停があるので、ついつい列から離れられないのが悲しいです、
この辺りが一人観戦の辛いところです。
宇都宮駅についたころには、16時半になっていました。

長いようで、あっという間の一日でしたが、
お目当ての廣瀬選手と偶然話せたり(残念ながらリタイヤして戻ってくる最中…)
海外の大物選手、フォイクトがすごいいい人(最後の一人のサインまできっちり)で感動したり、
帰りのシャトルバスの横を"あの"バッソ達が併走していたり(おそらくホテルまでクールダウンを兼ねて自走!)
自転車の魅力の一端である選手との近さを生で感じ、現地ならではの楽しさと盛り上がりもあり、
自転車好きとしてはかなり濃い一日を過ごせました。

これは来年も行かねば。
来年は前日のオープンレース or フリーランに参加?

※いくつかポイント
宇都宮駅シャトルバスのバス停がわかりにくいので、気をつけましょう。
・サインが欲しい特定選手がいる場合には、スポンサーのサイン会限定だったりするので、事前に整理券を入手しましょう。
・食料は比較的容易に調達できるので、現地調達がお勧めです。
・かなり寒いので、防寒対策が必要です。
・折りたたみ椅子があると安定した観戦が楽しめます。
・サインを貰うならドーピングコントロールの出待ちが効果的(日本人選手を無視しないこと…)
・電車での移動は大変ですが、小径車の輪行ジャパンカップ観戦の勝ちパターンのようです。